杜子春

作者紹介

芥川龍之介・・・１８９２年東京生まれ。東大英文科卒。新原（しんばら）家の長男として生まれるが母が精神に異常をきたしたため、母の実家の芥川家に引き取られる。そこで文芸的センスを身につける。代表作に『蜘蛛の糸』『鼻』『地獄変』など。

総論

　仙人と出会った青年杜子春は、望みかなって何不自由ない生活を経験するが、それでもなお満たされないものがあった。仙人は杜子春に大蛇との遭遇などいくつかの厳しい試練を課し 声を出すことを禁じたが、二頭の老馬がむち打たれているのを見て思わず声を発してしまった。その老馬の正体とは・・・。人間としての生き方は何か、ということを考えさせられる短編ではないでしょうか。