恩讐の彼方に

作者紹介

菊池 寛・・・1888年香川県生まれ。本名・寛(ひろし)。旧制一高に入学、同級に芥川龍之介や久米正雄らがいた。これら旧友と第四次「新思潮」を創刊し、戯曲『父帰る』を発表。その後、『無名作家の日記』『忠直卿行状記』を次々と発表、作者の現実的な人生観から生まれた単純で明快な構成とテーマが人気を得て、文壇的地位を確立。かの有名な芥川賞、直木賞の創設者。

総評

 仇討ちの無意味さを批判してヒューマニズムの勝利を書いた小説。作品の舞台は大分県で、江戸時代の実際の出来事がもとになっている。主人公は表向きには茶店をやっていたが、本職は強盗であった。あるとき、やむなく人を殺してしまった。それを後悔して出家する。とある町で洞窟を掘っている時に、彼の前に彼の殺した人の実子である実之助が現れる。そして実之助は父の仇を取りに来た、と言うが・・・。果たして『恩讐の彼方に』あったものとは?私はこの作品、ホント好きです。人の憎しみや怒りがいろいろな出来事を契機に失せていく。これぞまさしくヒューマニズムと言ったところでしょう。読み終わったらきっと心が温かくなりますよ。ただ、少々長めかな。というわけで★は4つです。

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